『段落論 日本語の「わかりやすさ」の決め手 (光文社新書)』
はじめに 段落論
本書の第一の目的:段落の仕組みを伝える
本書の第二の目的:段落作りのコツを伝える
第一章 箱としての段落 段落論
本書の目的:扱いにくい段落をどのように扱えば、日本語の運用力・実践力に結びつけられるのかという実用的な課題を解決すること
中間的単位である段落があれば、段落というまとまりを頼りに理解することができる
段落が箱だとした場合
箱の中身はどうなっているか
箱の外側がどうなっているか
箱を並べていくとどうなるか
関係がどうなっているか
第二章 まとまりとしての段落 段落論
-段落の内部構造
- 内容のまとまり
- 何について書くのかという話題
- 書き手がその段落で言いたいことを端的にまとめた文
- トピック・センテンス
- 小主題文
- 構造
- 核となる話題を示す小主題文 + それを支える支持文
- 核となる話題を示す小主題文 + それを支える支持文 + まとめを示す小結論
- 中心文
- 小主題文と小結論文の両方を含む概念
- 日本語の文章の実態に即して考えると、小主題文・小結論文という理念的な概念よりも、より柔軟で実際的な概念である中心文のほうが扱いやすい
- 統括機能
- 小結論文が持つ、段落内の他の文をまとめる働き
- ある文が段落を、さらに、第〇節、第〇章、第〇部、文章全体をまとめる働きを示せるという点で、私たちが文章の アウトラインを的確に把握したり、文章の要約を考えたりするときに役立つ概念
- 中心文に基づいて段落を構成する
- 書き手が自分の伝えたいメッセージをはっきりさせる
- 読み手に文章の内容を確実にわかってもらう
第三章 切れ目としての段落 段落論
- 切れ目としての段落
- 段落の切れ目で初めて今読んでいる段落の終了と、新たに始まる段落への移行する
- 話題の切れ目を判断するのは難しい
- 切れ目を生みだすのは段落の開始部と終了部だ
- 段落の開始部
- 小話題文
- 段落の単なる話題を示す
- 段落の終了部
- 小結論文
- 「解釈」「評価」「予告」
第四章 つながりとしての段落 段落論
- 段落分けをすると何が起きるか。
- 文と文章のあいだに段落という 中間的単位が生まれる
- それをもとに理解していく
- 段落のしくみ
- 意味のまとまりを反映する、より大きな単位を組み合わせる
- 文章のアウトライン
- 段落という単位に区切って話題ごとに文章を理解する
第五章 フォルダとしての段落 段落論
- 段落=フォルダ
- 以前のフォルダ(=段落)のなかにあるファイル(=文)を見なくてすむ
- 段落は先行文脈を話題ごとに切り分け、既出の話題を引き出しのなかにしまっておける
- 新たな作業に着手するためには、以前の作業を消去する必要がある
- 階層性を示せる
- 入れ子型構造
- 段落のなかに段落がある
- 小さな段落
- 改行一字下げ
- 大きな段落 = 複合段落
- 改行一字下げ + 一行空け
- 小見出し
- 段落<複合段落<章<部
- 段落の作成方法
- ボトムアップ
- 複数の文をまとめて組み上げて作っていく
- トップダウン
- 全体の アウトラインをあらかじめ設計し、そのアウトラインを細かく分割しながら個々の文を収めていく